第3四半期の決算発表で、厳しい表情で会見に臨むソニーの平井一夫社長=6日午後、東京都港区(大山実撮影)【拡大】
日立やパナソニックなど国内のライバル企業がテレビやスマホ市場から撤退・縮小を始める中、ソニーだけは技術力とブランド力への自信から、韓国サムスン電子や米アップルなど世界の強敵との競争にこだわってきた。ただ、その自負心が足かせとなり、傷口を広げた感は否めない。
4~12月期はスマホなどのモバイル機器分野が76億円の営業赤字を出したのに対し、ゲーム、映画・音楽、金融の3分野で計1878億円の黒字を計上。今のソニーを支えるのは製造部門ではなくなった。
「若いころはゲーム、大人になってからは映画・音楽、最後は金融分野で生涯つきあえるようなビジネスモデルを構築すべきだ」(メリルリンチ日本証券の片山栄一調査部長)との指摘も聞こえる。
パソコン事業売却が報じられた今月5日に、株価が前日比5%も上昇するという皮肉な現象は、ソニーの自信を市場が過信ととらえていたことを示す。
「ソニー全体の成長を全うしていくのが私の使命だ」と背水の陣を敷いた平井社長。世界を席巻した「SONY」は今、大きな岐路に立たされている。(米沢文)