同社が茨木工場を中心に製造したカラーテレビは高度経済成長の下で飛ぶように売れ、60年に国内外の生産台数が累計1億台を達成。平成20年には薄型テレビと合わせ、世界で初めて3億台を突破させる原動力だった。しかし、リーマン・ショックを境に世界中で需要が急減。それまでのプラズマテレビ事業への大型投資が裏目に出て、25年3月期まで2期連続で7千億円超の赤字を計上する要因となっていた。
茨木市幹部は「55年の歴史があり、市民に愛着もある。売却となれば非常に残念だ」と話す。パナソニック社内にも「広大で形状のよい土地なので、分割して売るべきではない」との意見もあるが、社内改革が急務となっているだけに売却へと傾いている。