これまでに生み出された新素材は、持久力増強効果のある「クラスターデキストリン」や初期虫歯を健康的な状態に戻すことを助ける「リン酸化オリゴ糖カルシウム」、メラニン生成を抑制する効果をもつ「α-アルブチン」、タンパク質の活性回復作用を補助する「シクロアミロース」など。特に、リン酸化オリゴ糖カルシウムを活用した特定保健用食品のデンタルガム「POs-Ca(ポスカ)」は、歯の再石灰化を促し丈夫な歯を保つだけでなく再結晶化も実現。コンビニエンスストアやドラッグストアに加え、現在では日本歯科医師会推奨商品として歯科医院でも販売している。
◆国内外の大学と積極連携
また、新素材の実用化に際しては、商品化後の効能効果の検証や機能強化も行い、常に進化し続けている。新素材は自社商品への活用にとどまらず、国内外の食品、化粧品、医薬品メーカーなどにも供給しており、さまざまな領域で使用されている。新素材の外部販売額は、2010年度から13年度(見込み)までの4年間で1.8倍に増加、同研究所の存在意義をさらに際立たせている。産学連携にも積極的で、京都大学や東京医科歯科大学のほかにも、かつてはイギリスのエディンバラ大学など海外の大学とも基礎研究を実施した。大学以外では、理化学研究所が保有する世界最大の放射光施設「SPring-8」でポスカの効果検証に大きな成果を得た。
産学連携は今後もさまざまな分野で強化していく方針だが、同研究所としては糖質研究に経営資源を集中して、健康に関する原理原則を追究する基礎研究はもとより、顧客に貢献する新素材の開発をさらに充実し、“健康を科学する”世界一の研究機関を目指す。