飛良泉本舗に伝わる江戸時代の古文書について説明する、斎藤雅人社長【拡大】
□平出淑恵さん(酒サムライコーディネーター)
「出羽富士」といわれる鳥海山のふところに抱かれた秋田県南部の由利地域(由利本荘市、にかほ市)を17、18日に訪れた。ホテルエクセルキクスイ(にかほ市)で開かれた秋田県由利地域観光振興会(鈴木幸夫会長)主催の酒蔵ツーリズムセミナーに参加するためだ。
第1部の講演会は「SAKEから観光立国-日本酒を世界へ、からの地域活性化」というテーマで講師を務め、第2部はワークショップの交流勉強会で質問に答えた。
勉強会の資料には「分科会では、鳥海山をいただくこの地域の観光事業者が利益を生んでいくために蔵元さんにはなるべく本業に専念してもらい、周りの観光事業者が汗をかく仕組み作りが肝要と考える」とある。酒蔵を明確にコンテンツととらえており、他の地域よりずいぶん先行していると感じた。
秋田県、由利本荘市、にかほ市の各自治体、宿泊施設、JR東日本、日本航空、タクシー会社の交通機関、酒蔵・酒販店が参加。岩間錬治・由利地域振興局長の激励も受け、官民の活発な意見交換の場となった。
由利地域の酒蔵は、大きく3地区に分かれる。由利本荘市の「本荘」「矢島」、にかほ市の「仁賀保」だ。このため交流会では各地区の連携や通年観光に結びつける方法、ターゲットとなる観光客など、具体的な話題が俎上(そじょう)に載った。
一方、酒蔵の見学フィールドワークでは4カ所を訪問した。
矢島では地元中心の商いを展開する佐藤酒造店(銘柄・出羽の富士)と、海外品評会で受賞を重ねる天寿酒造(天寿)。仁賀保では秋田最古、全国でも3番目に古い室町時代創業の飛良泉(ひらいずみ)本舗(飛良泉)。本荘では海外品評会で上位の受賞歴を誇り、全国にファンも多い齋彌酒造店(雪の茅舎)。どの蔵も飽きることのない質の酒と素晴らしい酒造りを守っている。