魚谷氏は統括顧問に就任後、各事業部長らによる「マーケティング改革本部」を立ち上げ、中価格帯ブランドの活性化に着手した。特に社内の意識改革に力を入れ、「全てがコミュニケーション」「全てがマーケティング活動」といった考え方が徐々に浸透。国内化粧品事業部のズナイデン房子マーケティング部長は「美容部員や販売会社、本社が結束力を強めることができた」と振り返る。
新たな試みも功を奏した。昨秋発売したエリクシールの新製品では「口コミで良さが伝わるような仕掛け」を展開。発売前にエリクシールの愛用者を招き、ブランド力強化の前提となる「商品の質の高さ」を体験してもらい、プロによる化粧品の使い方も伝授し、ファン層の拡大につなげた。この結果、販売計画と比べてこれまでに2.6倍の売り上げを確保した。
国内の化粧品市場は、08年秋のリーマン・ショック後に高価格帯製品と低価格帯製品への二極化が進んだ。特に中価格帯から低価格帯にシフトしたユーザーが多く、中価格帯の回復は化粧品各社にとって収益力改善の鍵を握る課題となってきた。