女性活用の効果を証明するために、内永氏は日本IBM時代に経験した「女性社員の能力活用に関する諮問機関」での取り組みを振り返った。1998年当時のIBMにおけるダイバーシティへの取り組みは、企業戦略としての取り組みであり、各国共通で女性の活用が第一プライオリティに設定され、進捗状況を計る指標の設定と評価を行う管理システムを確立した。
「一年半かけて問題点を分析した結果、日本IBMでは『将来像が見えない』『オールド・ボーイズ・ネットワーク』『仕事と家事・育児とのバランス』という3つの問題に集約した。これらの問題を解消するためには、女性の成功体験やロールモデルの輩出が重要になる。そして、男性中心の社会で培われてきた独特の企業文化や雰囲気で構築されるオールド・ボーイズ・ネットワークという風土を改革する必要がある。さらに、仕事と家事、育児とのバランスを実現するためには、テレワークの実質的な導入が必須となった。テレワークを積極的に導入することで、女性リーダーを継続的に輩出することができた。その結果、社員が活躍できる環境と、価値観の多様性が強みとなる企業になる。そのためには、経営トップのダイバーシティ推進への関与はもちろん、その実行体制の整備や業務・評価プロセスの見える化などの取り組みをすすめる必要がある」
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【プロフィル】内永ゆか子
1971年東京大学理学部を卒業し、日本IBMに入社。同社で初の女性取締役に就任し、常務取締役や専務執行役員などを経て2007年に退職。ベネッセホールディングス副社長、ベルリッツコーポレーション会長兼社長兼CEO、名誉会長を2013年に退任。2007年よりNPO法人J-Win理事長として企業における女性活躍推進を支援。2013年より現職。