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1日に発表された3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、3カ月後の先行きに対する企業の景況感が大幅に悪化した。黒田総裁は足元の景況感が良い分「(消費税増税の)反動減を懸念して慎重になっている」と分析。その上で、大企業の26年度の設備投資計画がプラスになったことなどから「企業の中期的な見通しは強い」と述べた。
さらに、企業の1年後の物価見通しが平均1・5%上昇となったことについて「(企業が)中長期的に物価上昇率が高まっていくとみている」と説明した。
一方、黒田総裁はリスク要因として「新興国・資源国の動向などがあげられる」と述べたが、米国をはじめとする先進国の景気回復で「海外経済の下振れリスクも一頃に比べて低下した」と強調した。
ウクライナ情勢についても金融市場が「落ち着きを取り戻している」と語り、リスクは顕在化していないとの考えを示した。
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市場の一部で高まる追加緩和観測について、会見でも質問が相次いだ。だが、黒田総裁は2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)が1・3%プラスと、9カ月連続で上昇していることなどを背景に「物価安定目標に向けて順調な道筋をたどっており、今、追加緩和を検討しているわけではない」と否定した。
その上で「必要であれば調整を行うスタンスに変わりはない」と繰り返し述べ、さらに「追加緩和の余地もあれば、逆の方向の余地もある」と言及し、柔軟に金融政策をかじ取りする方針を強調した。