近鉄百貨店は9日、平成27年2月期の連結売上高が前期比9.7%増の3040億円、本業のもうけを示す営業利益は約2.4倍で過去最高の74億円になるとの見通しを発表した。本店が入る「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)が3月7日全面開業したことで客足が増えて、業績がよくなるとみているためだ。
消費税が増税された影響について、9日に会見した飯田圭児社長は、駆け込み購入があった時計や宝飾品などの高額商品の売れ行きが鈍っているものの「衣料品など一般商品の売り上げは3カ月ぐらいで戻る」との見通しを示した。
ハルカスの全面開業日から3月末の本店の売上高は前年同期比の約2倍で、4月に入ってからも50%増で推移。この好調さは1年程度は続くとみて、本店の売り上げ目標を前期比約1.5倍の1450億円にした。
本店を除く各店舗の売上高は4月以降、消費税増税による買い控えで前年同期比5~20%減と不振で、ハルカス効果が底上げをする構図だ。
平成26年2月期連結決算は、売上高が前期比2.3%増の2770億円、営業利益は11.7%減の30億円だった。本店で1千億円の売上高を目指していたが、923億円にとどまったことが響いた。