われわれのメーンシナリオに基づけば、国内新車販売台数(季節調整後の年率換算)は4~6月期こそ460万台へ急落するものの、7から9月期に500万台、下半期に520万台以上に回復すると見る。14年度は510万~530万台程度の需要水準が期待できると考える。この結果、国内生産台数減少も軽微にとどまりそうだ。実際、トヨタ自動車がサプライヤーに提示している4~6月期の生産計画はじわり上方修正が続き、前年比8%程度の減少にとどまっている。
ただし、消費税率が10%に上がり、自動車取得税廃止の財源確保が軽自動車税の増税や環境性能に応じた自動車税導入で進むことで、15年度は下落率を高める懸念が高い。自民党税調には、自動車車体課税の引き下げを議論する空気をあまり感じられないことが懸念される。国内需要が450万台を割り込むシナリオは、国内生産台数は900万台を割り込み、国内設備稼働率も再び80%を割り込む危機モードへの転換を意味する。(自動車アナリスト 中西孝樹)