採用難は若年層が減少する地方でも目立つ。長崎ちゃんぽん店を展開するリンガーハットは、山形県の新店舗がアルバイトを確保できないまま3月下旬の開店を迎え、「正社員を派遣してしのぐしかない」(川内辰雄執行役員)という事態に陥った。
景気が上向いて短期バイトの求人も増える中、「拘束時間が長いシフト制の仕事は若者から敬遠されつつある」(外食大手幹部)。さらに、労働環境でマイナスの印象が強まれば営業体制そのものが揺らぎかねない。
ゼンショーホールディングスが展開する牛丼チェーン「すき家」では、調理に手間がかかる鍋メニューを2月に発売したのを機にアルバイトらがインターネット上で集団退職を呼びかける騒動が起き、人繰りがパンク。約250店が深夜・早朝営業の休止などに追い込まれた。
このため、同社は店舗の運営会社を全国に7つ置く「地域分社化」の導入を決定。「現場の声をくみ取れる風通しの良い組織にしたい」という。
居酒屋チェーン大手のワタミは今年度中に60店舗を閉鎖し、人員を他店舗に回す計画。同社は「労働環境の改善を図りたい」(広報)としている。