旭硝子は24日、6月にブラジルで開催されるサッカーワールドカップ(W杯)の全12会場で使用される選手用ベンチ向けガラスルーフを発表した。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末用の強化ガラスを、大型のベンチルーフに転用。従来の主流の樹脂製ルーフに比べ傷がつきにくく、熱などにより変質しないなどの利点がある。
昨年6月のコンフェデレーションズカップで使用したものを改良。化学強化ガラスを2枚合わせ通常のソーダライムガラスに比べ強度を8倍に高めたほか、ガラスの反射率を13分の1に抑えることで観客席からも試合が見やすいよう工夫した。
ガラスルーフの長さは11.5メートル、高さは1.9メートル、奥行きは1.0メートル。ガラスの厚みは3.5ミリで重量は約760キロ。23人が座れる仕様で、フレームやシートなどすべて旭硝子製の素材で構成した。
同社は昨年にブラジル工場を稼働させるなど現地での事業を強化している。