コンピューターや映像など大容量データを記録できる富士フイルムの磁気テープと読み取り装置【拡大】
柴田徳夫執行役員は「磁気テープは過去のもの、というイメージが根強いが、ポテンシャルは高い。技術開発とともに認知度を高めたい」と意気込む。一方、ソニーも今年4月、実用化までには課題があるものの、185テラバイト以上という大容量データ記録を可能にする磁気テープ技術を開発した。
かつて、磁気テープは記録媒体の花形で、主力メーカーだったTDKは、1980年代に年間数億本のテープを製造したこともあったが、光ディスクなどデジタルメディアに押され、今年3月、磁気テープ事業から完全撤退している。
安全・利便性も向上
ここにきて磁気テープが評価されるのは、ハードディスクと異なり、電気代がかからずランニングコストが安いほか、ネットワークとつなげずに保存できるためセキュリティー面で安心といった利点があるためだ。
磁気テープは、ハードディスクなどと比べてデータ検索に時間がかかるという課題もあったものの、現在、瞬時にデータの内容を検索できるソフトウエアが開発されるなど、利便性も向上している。