KDDIの田中孝司社長が指摘する「シェア44%の携帯電話と70%の光サービスをセットで売ると70%に近づく」か否かは不明だが、トップシェア同士のセット割引が、市場に大きな影響を及ぼすことは想像に難くない。
「規制の見直しは必要だが、最初に『NTTの規制緩和ありき』ではない。競争の進展が前提だ」
同省総合基盤通信局幹部は5月初旬、NTTにとって、“アメとムチ”となる競争促進策を策定する意向を示唆した。
着地点手探り
4月15日に開かれた特別部会基本政策委員会。孫社長は「新幹線の切符が8枚つづりじゃないと買えないのと同じだ」と、独特の比喩でNTT東西の光回線貸出制度に問題があると指摘した。
NTT東西は現状、光回線1本(8利用者分)単位でしか貸し出しを行っていない。1本を8分割し、1利用者分ずつ貸し出す仕組みになれば「仮想移動通信事業者(MVNO)も安いサービスを展開できる」という主張だ。