6月は機長が26人必要だったが、採用が予定通り進まなかったことに加え、想定以上の退職者が出たことで、3人不足するという。石井社長は「(会社発足が昨年11月と)後発組で実績が少なく、採用競争力が弱かった」と説明した。
ただ、同じANAHD傘下の全日空から機長の出向者を受け入れたほか、病欠者らが復帰することから、繁忙期の7月以降は必要な機長数を確保できるため計画通りに運航する予定。
LCCでは4月、ピーチが5月19日から10月25日まで最大2072便を欠航すると発表。機長52人のうち8人が病欠という緊急事態に加え、事業拡大に向けた採用も不調だったためだ。
LCCはもともと、余剰の機材や人員をあまり持たないことなどでコストを抑え、低運賃を実現している。こうした中、バニラやピーチでパイロット確保が綱渡りだった実態が表面化し、LCCのこうしたモデルの難しさが浮き彫りになった格好だ。会見でバニラは、病欠などを見込んだ機長の余剰人員は1~2人程度だったと明かした。