「主眼は多数の契約者を抱える大手生保から、いかに契約者を取るかだ」
ライフネットの出口会長は、価格競争の背景をこう打ち明ける。
各社の保険を扱う乗り合い代理店の店舗は過去6年間で約4倍の約1500店に拡大し、大きな販路となった。大手生保も2~3割安い代理店向けの商品開発に着手するなど、本腰を入れつつある。ネット生保の身を切る値下げは、代理店で消費者から選ばれる価格競争力を得るための苦肉の策だ。
ただ、“薄利多売”のビジネスモデルが、今後の成長につながるかは未知数だ。一方でSBIホールディングスが年内にもネット生保に再参入するほか、第一生命保険や住友生命保険も「今後の市場規模を踏まえて検討していく」と、大手も参入をにおわせる。過酷な生き残り競争が本格化するのはこれからだ。(万福博之)