東京電力は21日、福島第1原発の汚染水を減らすため、原子炉建屋に流れ込み汚染される前の地下水の海洋放出を始めた。すでに放射性物質濃度は調査済みの水で、放出基準値を大幅に下回っていることが確認されている。海への放出は漁業関係者が懸念していたが、水の検査や風評被害対策を強化することで、放出を容認していた。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は同日午後の定例記者会見で「海への排水ができるようになったのは一歩前進だ」と評価した。
この日放出されたのは、4月に井戸でくみ上げ、一時貯留タンクに保管されていた約560トン。午前10時25分に放出を開始し、午後0時42分に終わった。東電は「タンクや配管からの漏洩などの異常はない」としている。
くみ上げ用の井戸は敷地内に12本あり、今後は地下水位を確認しながら、1カ月間かけてくみ上げ量を段階的に増やし、順次、海に放出していく。