担当した木下さんによると「見るだけでなく、触った感覚やにおいで質をイメージすることが一番記憶に残る」と、「体感」に最もこだわったという。
触れるだけでなく、最新のデジタル技術も活用した。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末をかざすと、画面に情報が表示される「AR(拡張現実)」を採用。卓球の福原愛選手に端末をかざすと、画面に福原本人が登場し、「私の靴にはハートの刺繍が入っています」と説明してくれたり、サイエンス・プロデューサーの米村でんじろうさんが同社製品の技術を実験で解説したりする。
一番の人気はARで本田やイチロー、水泳の寺川綾、陸上の室伏広治の各選手と一緒にいるかのように“記念写真”が撮れるコーナーだという。
◆技術の変遷も
もちろん、ミズノが長い歴史を積み重ねた野球用具や、五輪との関わりも興味深い。
ギャラリー奥の「歴史コーナー」では、1900年頃の分厚い手袋のようなグラブから、最新のグラブまでがずらりと展示される。技術の変遷が見てとれるコーナーには思わず足を止める客も多い。五輪で日本選手団が着用したジャージーやユニホームなども、68年のメキシコ五輪のものから展示されており、オールドファンにはたまらない資料にもなっている。
リニューアル後は来場者も増え、12年度には年間で約1万6000人が訪れた。親子連れ客が阪神の選手の用具の前で仲良く野球談議するという光景も見られるという。
木下さんは「スポーツにもっと興味を持ってもらい、スポーツ人口を増やしていきたい。ゆくゆくは教育機関と連携した取り組みもしていきたい」と話してくれた。(大宮健司)