講演する日銀の岩田規久男副総裁=26日午後、東京・東新橋の共同通信社【拡大】
日銀の岩田規久男副総裁は26日、東京都内で講演し、日銀の大規模な量的金融緩和策が日本経済の潜在成長率を引き上げたとの見解を示したうえで、現状では「(成長率は)実質1%ぐらいがせいぜい。政府が目指す2%に上げるのは成長戦略の役目だ」と話し、政府の取り組みに期待を示した。「金融政策にないものねだりをしてもらっては困る」とも述べ、“追加緩和頼み”にクギを刺した。
黒田東(はる)彦(ひこ)総裁も21日、建設業などで起きている人手不足を念頭に「水面下に隠れていた供給面の問題」が経済成長を阻害する可能性に懸念を表明。政府に対して労働規制の緩和などを含めた構造改革を求めた。
岩田氏は講演で、昨年4月の緩和策導入後に進んだ物価上昇について、市場で「円安による輸入物価上昇を原因とするコスト・プッシュ型の悪い物価上昇だ」とする見方を否定した。
円安による物価上昇であれば、消費者らが使えるお金が減って国内需要が減退し、失業率の悪化を招くはずだが、実際は雇用市場は改善したと指摘。日銀の緩和策などが需要を底上げした「デマンド・プル型」の上昇だとの見解を示した。
市場で「円安効果がなくなる今夏以降、物価上昇が途切れる」との見方が広がっていることについて、岩田氏は、設備投資や輸出が上向くことも支えとなり、今夏以降も物価上昇が続くとの見通しを強調した。