国際競争力強化のため、大阪港と経営統合される神戸港の周辺=神戸市中央区(本社ヘリから、志儀駒貴撮影)【拡大】
大阪市と神戸市は、大阪港と神戸港を合わせた「阪神港」を運営する2つの埠頭(ふとう)会社が経営統合し、10月1日に新会社「阪神国際港湾」を設立すると発表した。阪神港は政府の国際コンテナ戦略港湾に指定されており、効率的な運営によって、韓国・釜山港など近隣のハブ港に対抗できる国際競争力を備えるのが狙い。
統合される2社は「大阪港埠頭」と「神戸港埠頭」で、それぞれの株式を持つ大阪、神戸両市が協議していた。2社が所有し、維持管理する岸壁や既存施設などを、運営にあたる新会社に貸し出す上下分離方式をとる。新会社には両市に加え、国も出資する。
橋下徹大阪市長は10日の記者会見で「経営統合により、釜山に流れている荷物を西日本に集めたい」と話し、神戸市の久元喜造市長は「国家戦略として中国や韓国、香港と対抗できるような港湾に成長させる必要がある」と期待を込めた。
大阪市港湾局によると、統合後は積み降ろし用クレーンなどの設備を一括購入するなどしてコスト低減を図る。施設利用料の引き下げなどサービスの向上につながり、取扱量の拡大が期待できるという。