クラウド型翻訳サービスを手がけるエニドアは、社員20人の約半数を外国人が占める多国籍企業でもある【拡大】
インターネットを通じて仕事を外部発注するクラウドソーシングを活用した翻訳サービスを手がけるエニドア。サービス名の「Conyac(コニャック)」は、漫画「ドラえもん」のひみつ道具「翻訳こんにゃく」が由来。グローバル化が急速に進むなか、外国語が不得意な人にも気軽に世界へアクセスしてもらおうと、ドラえもんの問題解決能力にあやかった。
コニャックは世界中の翻訳者と依頼者を同社のウェブサイト上で仲介する仕組み。依頼者が翻訳を希望する言語を入力し、訳してほしい文章をサイト上にアップすると、それを見た翻訳者のうち最初に手を上げた人が翻訳を任される。依頼者は、訳し終えた文書を元のファイル形式でダウンロードできる。
2種類あるプランのうち、単文投稿サイト「ツイッター」などの簡単な文章が対象の「ライト」は、日本語を英訳する場合で240文字200円。ビジネスメールなど、難易度がより高く長い文章を想定した「スタンダード」は1文字4円から。1文字25円程度はする翻訳会社に比べ、かなり安い水準だ。「ライト」は世界66言語に対応。日本語を英訳する場合、最短5分で手元に返ってくることもあるという。
翻訳者とは事前に機密保持契約を結んでいるため、秘匿性が高い文書の翻訳も安心して任せられる。
約2万人いる翻訳者の半分は日本国内の在住者だが、インドネシアなどの新興国で高度な教育を受けた人も少なくない。空いた時間に仕事を引き受けられるため、貴重な収入源となっている。