NECは20日、画像データから人間の顔を識別する顔認証の精度やスピードの技術テストで、米国国立標準技術研究所(NIST)から1位の評価を得たと発表した。セキュリティー管理のニーズは国内外で強まっており、NECは今回の技術を今年度内にも製品化するとともに、評価の高さをアピールして顔認証システム全体の販売拡大につなげたい考えだ。
テストは約160万人の顔画像データと実際の人物の顔を照合して同一人物かどうかの判定を行うもので、米国やフランス、ドイツ、中国などから参加した16の企業や大学と競い合った。NECは照合のエラー率の低さや検索の速度でいずれも最高の評価を受けた。
NECが顔認証をめぐるNISTのテストで1位となったのは、今回を含めて3回連続。顔の特徴点や表情の変化を的確に捉える認証技術の高さが証明された格好だ。このテストは、セキュリティー技術の向上を目指す米連邦捜査局(FBI)や米国土安全保障省などがスポンサーとして支援している。
NECの顔認証システムは既に国内の官公庁や企業など約100社に納入され、香港入国管理局の出入国管理システムに採用されるなど海外の20カ国以上でも導入されている。