現在でも「ヒューガルデンホワイト生」を求めて同店を訪れる客が絶えないという【拡大】
ここ数年、クラフトビールや外国産ビールが好調だ。日本でビールといえば、大手メーカーの手がけるブランドが主流。
一方、クラフトビールとは小規模なビール醸造所で職人が精魂込めて造っているビールのこと。クラフトビールを売りにする店はここ1年で2.4倍に増えている。また、ベルギーやイギリスに代表される外国産ビールも人気。飲用頻度を聞いた調査(ぐるなび調べ)では、国産生ビール(86.3%)に次いで58.3%の人が外国産ビールを飲んだことがあると回答。多くの人が、ビアホールやバー・バルなどで外食をする際に外国産ビールを認知するようだ。飲食店ではどのような感触を得ているのだろうか。
外国産ビールをはじめ、31種類のビールをそろえる人気店「御茶ノ水ビアホール」(東京都千代田区)の開米幸生さんは「オープンした7年前から比べ、徐々にビールの多様性が認知されてきた印象があります。特に2年前にベルギーの『ヒューガルデンホワイト生』の提供をきっかけに人気に火がつきました」と話す。当時、ヒューガルデンの生を飲める店は都内でもわずかで、話題を呼んだ。同店の売りの一つに豊富な生ビールがある。国内メーカーでは、「エビス」や「プレミアムモルツ」などの定番品のほか、「フローズン生」「ハートランド」などの珍しい種類も取りそろえる。外国産ビールではベルギーの「ヒューガルデンホワイト」、ドイツの「レーベンブロイ」、イギリスの「バス・ペールエール」の3種類を飲むことができる。「今は外国産ビールの人気が高いですね。日本のビールとは見た目の色も香りも味もまったく違うものも多く、驚かれるお客さまも多いです」。これまで、ビールといえば“乾杯の最初の一杯”というイメージが強かった。ここまで外国産ビールが受け入れられた背景には、ワインや日本酒などの“味の違いを楽しむ”カルチャーが根付いた点も影響している。「これまでビールをこだわって飲むというスタイルはありませんでした。しかし、日本酒やワインにこだわる人が増えたことで、ビールにも多様性が求められてきた。そこで、クラフトビールや外国産ビールを楽しむ人が増えたのでは」と開米さん。来店客の中にはのどごしや味わいを楽しむために、飲む順番を考える人もいるそうだ。「夏はビールが最もおいしい季節。この機会にビールの多様な世界を楽しんでほしい」と力強く語ってくれた。