□エレクトリフィケーションコンサルティング代表・和田憲一郎
■過去の負債、一掃できる技術者になれ!
最近、クルマでリコール(回収・無償修理)が多発している。6月11日に、トヨタがタカタ製エアバッグに関し全世界で227万台のリコールを発表したのに続き、23日には同エアバッグで、ホンダ、日産、マツダが総計で約300万台に及ぶリコールを発表した。米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)に至っては、16日にエンジンを点火するイグニション・スイッチの不具合で355万台のリコールを発表しており、今年だけでもGM単体で約2000万台にのぼる。
今回の特徴は、初めてというより、過去に何度か実施しており、さらに追加でのリコール処置となるなど、複数回起きていることが特徴だ。誤解なきように言えば、リコールは必ずしも悪いことではない。技術・製造面で不都合な状況が見つかれば、速やかにリコール処置を行い、ユーザーに安心を届ける必要がある。
リコールの記事を読んで筆者も思い出したことがある。というのは、内装設計時代に助手席エアバッグでリコールを出した経験があるからだ。原因を突き止めるためには、設計面なのか製造面なのか、数年前に遡(さかのぼ)って徹底的に調査しなければならない。これは非常に根気と時間を要するものだ。今回、この面から考察してみたい。