◆雇用・賃金の立て直し
年金を本当に持続可能とするには、財政・経済制度を含めた根本的改革が必要です。
国民年金保険料の納付率はこの間、改善したといわれますが、免除・納付猶予を「未納」と扱う「実質納付率」で見れば4割台です。保険料を納付しない理由の第1位は「経済的に支払うのが困難」。こうした中で、派遣労働を拡大・永久化する大改悪などもってのほかであり、正規雇用への転換、ブラック企業への規制強化で「働く貧困層」をなくすことが急務です。そうしてこそ、年金財政の安定した支え手を増やすことができます。
国民年金の保険料を納付しない理由の第2位は、「制度が信頼できない」です。繰り返される支給削減と先送り、「保険料の流用」「消えた年金」など不祥事の連続の中で、制度への不信が頂点に達しています。マクロ経済スライドの発動・拡大、支給開始の先送りなど、安倍政権が狙う改悪は、「どうせ、自分はまともな年金など受け取れない」という若年層の気分を広げるだけであり、ただちに中止すべきです。
そして、全額国庫負担の最低保障年金制度を導入し、その上に保険料に応じた年金を上乗せする抜本改革で、「減らない年金・頼れる年金」を実現することが必要です。これなしに、国民(とくに若年世代)の制度不信を払拭し、年金制度の危機を打開し、持続可能な制度への道を開くことはできません。
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【プロフィル】小池晃
こいけ・あきら 1960年生まれ、東京都出身。東北大学医学部医学科卒。東京勤労者医療会代々木病院などを経て現在、参議院議員、日本共産党副委員長・政策委員長。著書に「どうする 日本の年金」(新日本出版社)など。