水谷:主に海外の熱帯雨林では植林活動を、反対に日本では間伐を行っています。地球上では今、1秒間にサッカー場1面分の森が失われていますが、日本では逆に、この100年間で国土全体の森林面積は約1.5倍の67%になりました。その理由は、第二次大戦後の復興期に国策として植林が奨励されたからです。ところが現在では、林業の衰退に伴い多くの森が放置されて、大きな問題になっています。
土田:植林した森をそのままにせず、人が手を入れて育てていく必要があるわけですね。
水谷:はい。放置された森では、ひょろ長く育った木が密集している状態のため、太陽の光が遮られてしまい、地面に草が生えません。むき出しになった土が雨で流出するなどして、放置林が土砂災害や洪水の原因になるのはこのためです。そこで、生育の悪い木を間引くことで太い木が育ち、土壌の保水力が増して防災につながる。さらに、こうして生まれた豊かな植生が、森に暮らす生き物などの生物多様性や、健全な森を育てることにもリンクしていくのです。
土田:森に関わる活動を行うのに、現地ではなく東京を拠点にしている理由とは何でしょうか?
水谷:森の問題は、都市で生活している人にはどうしても縁遠いと思われがちです。そこで、森のある地方と都市の橋渡し役になり、森の問題を都市の人々にも受け入れられる形に翻訳していくのが、われわれにできることだと考えています。いわば、森と都市との“接着剤”のような立場でしょうか。
土田:森と人を“くっつける”ことで、この先の持続可能な社会を創造していく試みですね。