各社がこぞって水産資源確保を狙う背景は、「買い負け」の常態化がある。ブラジルや中国の消費が急拡大し、産地を確保しないと「日本向けの安定供給が危うくなる」(三菱商事の柏木康全水産部長)との危機感があるためだ。
一方、欧米をはじめ、アジアなど新興国の消費拡大で商機も増えている。三井物産はグループの中聯太平洋を通じて大連の水産卸売り市場に拠点を設けた。子会社の東邦物産を通じて札幌の水産卸と組み、ホタテやホッケなどの北海道水産品を中国国内に売り込む試行を開始。「年内にも流通ルートを構築し、急拡大する中国市場を本格開拓する」(三井物産の北本晶英水産事業室長)と意気込む。
丸紅は欧州の水産卸買収に続き、今年4月にエビ、カニ、ホタテ販売のイースタン・フィッシュ(ニュージャージー州)を子会社化。「まずは需要が拡大する欧米を手始めに海外市場を開拓する」(丸紅の三木智之水産部長)作戦だ。三菱商事も中国浙江省で現地の水産会社と合弁会社を設立し、富裕層向けに水産物の加工・販売に乗り出しており、水産強化の動きが加速しそうだ。