海外の低価格ファッションに押され気味だった婦人服市場に、かつて109系など若者向けファッションの洗礼を受けた“大人”の女子向け国内ブランドが相次ぎ登場している。
流行を取り入れつつ価格を抑えた「ファストファッション」のブームに乗ったものの、品質に満足できなくなった層だ。海外ブランドにひけをとらない上質さや素材感、仕立ての良さを備え、手の届く価格を強みに、新たな需要創出を狙う。
買い回り促す
阪急百貨店梅田本店(大阪市北区)4階に一昨年新設された売り場「うめはんジェンヌ」は、若いキャリア女性に人気のブランドが並ぶ。学生時代に、10代後半から20代前半の若年層を狙った東京発ファッション「SHIBUYA109」系を経験した世代がターゲットだ。
「百貨店で衣料品を買っていなかった30歳前後の消費行動に対応した売り場」と婦人服第一商品部長の武藤千香子氏は話す。