JR東海が工事実施計画の認可を申請し、東京(品川)-名古屋間で2027年の開業を目指すリニア中央新幹線は、10月にも想定される着工に向けて最終段階に入った。ただ、品川-名古屋間で5兆円を上回る巨額な建設費は、経済状況の変動などに応じて膨らむリスクもある。民間企業としては過去に例のない規模のプロジェクトに臨む同社のかじ取りが問われる。
「健全経営、安定配当をしっかりと堅持しながら(工事を)やっていくよう努力したい」。26日の記者会見で、JR東海の金子慎副社長はこう強調した。
建設費についてJR東海は同日、高性能設備の導入や人件費の上昇を織り込んだ結果、品川-名古屋間が従来の5兆4300億円から5兆5235億円に膨らむとの試算を示した。45年の開業を想定する大阪までを含めると総額で9兆円を超える。
同社は07年に建設費の全額を自己負担でまかなうと表明し、国の資金援助は求めない方針だ。国土交通省の認可を得た後に建設に乗り出す方針だが、経営の健全性を損なわずに巨大プロジェクトの建設を進めていけるかがポイントとなる。