TOTOの海外売上高【拡大】
新工場は、グジャラート州の主要都市アーメダバード近郊の田園に囲まれた工業団地の一角に、60億円をかけて建設。9月から衛生陶器の出荷をインド国内向けに本格化させる。
同社のインドでの販売台数は昨年は10万個以下だったものの、ここ数年は所得水準の向上を背景に年率4~5割のペースで急伸している。富裕層や中間層を中心に中高価格帯(2万円前後)の便器が今後売れると判断。現地生産で需要獲得に弾みをつけ、洗浄便座「ウォシュレット」の拡販も図る考えだ。
経済成長が続くとはいえ、インドではトイレの世帯普及率は50%以下とされる。新工場の生産能力は年間50万個。同社はインドでの販売は今後、倍以上に伸びるとみているが、それでも年産能力を大きく下回るため、工場がない欧州や中東向けにもインドから輸出する方針だ。
TOTOが駐在員事務所を開設してインドに進出したのは2002年と、今から12年前。同業他社から「石橋をたたきすぎる」と揶揄(やゆ)されるほど、海外事業の展開には長い年月をかける。