TOTOの海外売上高【拡大】
13年度の売上高が544億円と海外最大の中国では、北京市の公的施設に初めてトイレを納めたのが1970年代後半で、初の工場建設はその15年後だった。
じっくりと市場に食い込み、ブランドを根づかせる手法で成果を出し、今や中国では自動車のメルセデス・ベンツなどとともに「TOTO」は高級品の代名詞的な存在になっている。
同社は事業の進捗(しんちょく)度合いに応じ、ターゲットとする主要国を3つに区分。中国は、販売網の整備を一通り終えた「ステージ3」と位置づけているのに対し、インドは「ステージ1」の段階にすぎない。
ライバルは買収攻勢
ただ、新興国市場をめぐる競争は激しさを増しており、時間をかける手法が許されなくなりつつあるのも確かだ。ライバルのLIXILは7月に南アフリカのDAWNからトイレを含む住宅設備部門を買収し、アフリカに進出。相次ぐ大型のM&Aで海外事業の拡大にかける「時間を買う」戦略を強めている。