芸術性や創造性を重視しているため、プロデューサーの大半が異業種の出身。業界のセオリーにことごとく背を向けるやり方は、社名の通り、クレイジーとさえいえる。
それでも山川さんは「一生に一度の大切な舞台。非効率な部分があっていい」と意に介さない。そこには「人は自分に正直な人生を送るべきだ」という、自らの経験から得た人生哲学が色濃く反映されている。
同社の評判は口コミなどですぐさま広まり、社員は30人近くまで増えた。結婚式以外の事業も見据える。「自分が信じるものを形にできるのが起業」。前向きな思考を身につけた今、幸せを生み出す仕事に生きがいを感じている。(井田通人)
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≪Q&A≫
■企業とタイアップ 新たな挑戦
--幼いころにワゴン車で全国を旅した
「車に布団を敷いて寝る生活をしていた。千葉の田舎に移り住んでからもお風呂を薪(まき)でたく生活。周囲には『異質な一家が移住してきた』と疎外され、人に認めてもらうことがすべてと思うようになった。高校に入ってからはいじめられなくなったが、この考え方はなかなか消えなかった」
--父親の影響を受けた
「父は環境問題の講演をしながらフリーのアナウンサーをしていたが、それはまさに父にとって理想の人生だった。理想を追い求めることが人生を豊かにすると教わった」
--性格をどう分析する
「努力家であると同時に、妥協知らずの性格だと思う。前職では8日間連続で徹夜したこともある。昔はそれでもまだ(自分の理想に)足りないと思い、いつも焦燥感を感じていた」