もちろん楽天も強力だが、日本の成長を糧にすることは望めない。代わりに成長の機会を海外に見いだしている。アリババは事業の伸びを確実に海外市場の独占につなげてくる。アリババに限った話ではない。中国企業が、米国企業の買収や幹部の引き抜きの動きを強めている。レノボによるIBMのPC部門買収や元グーグル幹部が中国のモバイル企業に一斉に採用された事例などを見れば分かる。
とはいえ、アリババに弱点がないわけではない。現状では、中国人のバイヤーに事業を大きく依存している。比べてみると、アマゾンではおよそ40%の売り上げが北米以外で発生しているのに対し、アリババでは中国外での収益がわずか9%程度にとどまる。
今月のIPOが、重大な転換期になることは間違いない。公開会社としてグーグルに次ぐ存在になれば、グローバル展開を加速させるためにグーグルのような企業から優秀な人材を採用するに十分な資金とブランド力が手に入る。
米国では、アリババが米国の多くの事業モデルを模倣しているため、先述したとおりアリババがイーベイやアマゾンと比較されることが多い。しかし、実際のところサービスの多様性や、成長を維持するためにグローバル展開を必要としているところなど、楽天に似通った点が多い。楽天が体験をもって学んだように、国内市場の飽和に伴い、アマゾンのような国際企業にユーザー基盤を奪われないためには自らも国際化しなければならない。