■日本の技術力と中国の成長市場を橋渡し
ラサ工業からシリコンウエハー再生事業を承継したRSテクノロジーズが、事業拡大に乗り出す。国内主力工場に最新鋭設備を導入するほか、新たに台湾にも拠点を設ける。中国出身の方永義社長は「日本の優れたものづくりと、成長する中国マーケットをマッチングし、両国の橋渡しに力を注ぎたい」と意気込んでいる。
--ラサ工業からシリコンウエハー再生事業を承継した理由は
「ラサ工業がリーマン・ショックの影響で不振が続く同事業から手を引くので、買わないかと声がかかった。相当悩んだが、まず同社のシリコンウエハー再生事業は草分け的な存在で技術的に右に出るものがいなかった。さらに大きかったのが中国、台湾市場がほぼ未開拓だったことだ。中国マーケットに明るい自分が手掛ければ、新しい道が開けるんじゃないかと考えた」
--結果的に判断は正しかった
「その通り。急落していた再生シリコンウエハー価格も上向きに転じ、事業が軌道に乗ってきた。経済産業省から補助金を得たこともあって積極投資も始める。主力拠点の三本木工場(宮城県大崎市)に62億円を投じて直径450ミリメートルの大口径ウエハーに対応する最新鋭設備を導入する。また、三本木工場にあった旧設備は台湾に設立した工場に移管する段取りだ」