電機メーカーが自社の特許を外部にライセンス供与するなどして活用する動きが広がっている。パナソニックは22日、特許など知的財産に関する業務を担当する新会社を設立し、10月に営業を開始すると発表した。東芝も今年から専門組織を設置し、自社で使わない「休眠特許」の収益化を狙う。日本経済の貿易赤字が続く中、特許は外貨獲得手段としても期待される。
パナソニックが設立した新会社「パナソニックIPマネジメント」(大阪市)は、特許の出願や権利化、管理、譲渡に関する交渉など、グループ内の知財業務を一括して担当する。
別会社にすることで業務を効率化し、経費を削減するのが目的だが、休眠特許やライセンスの活用などにも力を入れていく方針だ。
一方、東芝は、半導体部門に休眠特許などの活用に取り組む専門チームを1月に設置。ライセンスビジネスに詳しい外国人の専門家を責任者に招いた。
東芝は半導体の製造や設計などに関する特許を多く持ち、主力の記憶用半導体では情報漏洩(ろうえい)に注意を払う。ただ、スマートフォンで使う通信用半導体の特許などは「事業で生かしきれていない」のが現状で、他社やベンチャー企業にライセンス供与する考えだ。平成30年度に特許収入100億円を目指す。
財務省によると、日本が海外から受け取った特許や著作権など知的財産権の使用料は26年上期(1~6月)は1兆9154億円で、海外への支払いを差し引いた収支ベースでは7855億円の黒字になった。年度でも14年度から黒字が続いている。
電機各社が生産の海外移転を進めたことで、円安による輸出増の効果は限定的とされるが、休眠特許の活用は外貨獲得の新たな手段としても期待できそうだ。