被災地で契約栽培農家を増やすカゴメの取り組み。震災前に契約農家数がゼロだった宮城、岩手両県では、23軒、栽培面積は計11ヘクタール余りまで広がった。カゴメの全契約農家における東北地方の栽培面積は、5%に満たないが、被災地の着実な雇用創出につながっている。
カゴメ営農支援部の是枝宣徳氏は、東北3県の契約農家を支援している。是枝氏は「トマトジュースを通じて東北農業の復興、再生に協力できることにやりがいを感じている」と話す。
もっとも、カゴメの農業支援は震災後に始まったわけではない。カゴメの歴史は1899年、創業者の蟹江一太郎氏が愛知県で始めたトマト栽培に始まり、「安定的な収益が見込める契約栽培の歴史でもある」(同社コーポレート・コミュニケーション本部の仲村亮氏)。
創業当初からカゴメがこだわり続ける「全量買い取り制度」によって、生産者は「豊作貧乏」の不安から解放された。畑の連作障害を防ぐための転作作物としても役立ってきたという。
◆国産100%で安心感
とはいえ、消費者に製品を安定供給するためには、国産トマトだけでまかなうのは難しい。コストを下げる狙いもあり、カゴメが年間約4万トン(果実ベース)使うジュース用トマトは、5割を海外から輸入し、国産トマトとブレンドしている。
カゴメは4年前から、原料の国産比率を高めようとしている。第一の目的は、国内農業への貢献だけでなく、「国産トマトの安心感と、おいしさを求める消費者のニーズにメーカーとして応える」(仲村氏)ためだ。