サントリーのグループ体制【拡大】
サントリーホールディングス(HD)は1日、前ローソン社長の新浪剛史氏が社長に就任したほか、国内酒類事業を再編し、ビール類事業会社「サントリービール」を発足させるなど、新しい体制をスタートさせた。創業家でない人材をトップとした体制は初めてで、課題のグローバル展開を加速させる。
新浪社長は1日、社員向けに「日本の歴史・伝統・文化を自らのものにして世界に挑戦し、日本発の真ののグローバル企業、サントリーを創り上げたい」とメッセージを出した。
8月の顧問就任から新浪社長は、国内外の拠点を回り、問題点などの洗い出しに着手している。まず課題となるのが、今年買収した蒸留酒では世界3位となるビームサントリーを核にした事業だ。サントリーとの相乗効果を発揮させるほか、ロシアやインドなど新興国へのウイスキーの販売をいかに拡大させるかなど、新浪社長の手腕が問われる。
また、国内の再編ではビール類事業に特化するサントリービールに注目が集まっている。1963年にサントリーが参入したビール事業は、2008年に初めて黒字化した。今回のビール事業独立は、「自立できる事業モデルになった」(サントリー幹部)ことの証明ともなる。