北海道電力が例年にない厳しい冬を迎えようとしている。泊原発の長期停止で火力燃料費が膨らみ、昨年9月に続く電気料金の抜本値上げに向けた準備が進む重要局面で社長が交代。頼みの再値上げ幅は政府が14日、家庭向け平均15.33%に圧縮して了承したが、電力需給の面で火力発電所のトラブルリスクは消えず、油断できない状況だ。大規模停電が起きれば、道経済への打撃は必至で、道民の生命の危機にもつながりかねない。課せられた使命は重い。
重要局面で社長交代
「料金の再値上げが決まらない中、退くのは申し訳ない」
9月25日、札幌市の北海道電本店。取締役会に出席した川合克彦社長(当時)は無念そうな表情で語った。8月下旬から体調を崩し通院や自宅療養を続けていたが、担当医から「回復に相当時間がかかる」と指摘され相談役に退いた。後任には副社長の真弓明彦氏が昇格した。
川合社長2年目の昨年9月、北海道電は電気料金の抜本値上げ(家庭向け平均7.73%)を実施した。しかし泊原発の再稼働ができず、1年もたたない今年7月末、再値上げ(同17.03%)を経済産業省に申請。企業向けも平均22.61%引き上げる意向を示した。