JR東京駅前の高層ビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」=21日午後、東京都千代田区【拡大】
東京都心でオフィスビルなど大型の不動産取引が活況をみせている。21日にはシンガポールの政府系投資ファンドがJR東京駅前の高層ビル「パシフィックセンチュリープレイス(PCP)丸の内」(千代田区)を買収したと発表。買収額は非公表だがリーマン・ショック以降では国内最大級の1700億円程度とみられる。アベノミクスや2020年の東京五輪開催、オフィス需要の高まりを受けて都心の地価は上昇しており、海外マネーの流入もあいまって不動産市況の復調が鮮明となってきた。
PCP丸の内は01年に完成した地上32階建てのビルで、企業のオフィスやホテルなどが入居している。売り主の香港系投資会社が実施した入札にシンガポール政府投資公社(GIC)が応じ、8~31階のオフィス部分の買収が今回決まった。
現在所有する香港系投資会社は09年に国内の投資ファンドから約1400億円で買収したが、今回の取引額はこれを上回った。GICは「東京のオフィス市場に当社が長期的に信頼を寄せている証しだ」としている。