コンソーシアムを構成するすべての小売りブランドが日本でも知られているわけではないが、全米11万店舗、毎年の取引額1兆ドル(約108兆円)と聞けば、その影響力の大きさが感じられるだろう。売り上げの大部分がクレジットカード決済であるため、小売店はその分の手数料を決済企業に支払わなければならない。
そこで、多くの小売店が結束すれば、クレジットカードに替わって独自決済システムを利用するよう消費者を説得できるのではないかと考えた。それによって2、3%の手数料が浮く。
まだ明らかになってはいないが、カレントCに参加する小売り企業はモバイル決済手段としてカレントCのみを利用するという排他的契約を結んでいるのではないかと推測される。そうであるならば、彼らはアップル・ペイやグーグル・ウォレットに対応してはならないということになる。
◆QRコードは面倒?
小売店でのアップル・ペイ非対応はアップルにとっても痛手だが、小売店を害することにもなる。すでに、一部の顧客からはアップル・ペイに対応する他のチェーンに乗り換えることを明言する声が出ている。たとえば、店舗数及び売り上げでCVSを破って全米1位のドラッグストアチェーン、ウォルグリーンはアップル・ペイ立ち上げ時からのアップルのパートナーである。
カレントCの問題は、それが小売店側の視点に立ったもので、消費者の便宜のために開発されたものではないことだ。アプリの目的は小売店が手数料を払わなくて済むことであり、消費者にとってカレントCでの決済がよりスムーズに継ぎ目なく利用できるかという点に意識が注がれてきたとは言えない。
財布や電話をかざすだけで決済が完了するNFCの技術と比べると、カレントCではスマホでアプリを開き、QRコードを読み取ってから決済完了を確認しなければならず、客の中には面倒だと感じる人がいるかもしれない。