九州電力川内原発の再稼働に向けた地元の手続きが一歩前進したことで、再稼働の「2番手」として有力視されている高浜原発(福井県)を持つ関西電力をはじめ、電力各社は原発が立地する地元の理解が広がることに期待を寄せる。ただ再稼働が一部にとどまれば、原発停止に伴って膨らんでいる火力発電用燃料費の削減は限定的とならざるを得ず、収支改善のために電気料金を再値上げする動きが広がる懸念もくすぶっている。
九電の業績は厳しい。2014年4~9月期の連結最終赤字は400億円(前年同期は357億円の赤字)と、赤字幅が悪化する見通しだ。川内原発1、2号機が再稼働すれば、火力向け燃料費の圧縮で1カ月当たり200億円の収支改善につながると九電は試算している。
それでも、財務の健全性を示す自己資本比率は既に6月末で9.6%と「危険水域」とされる1桁台に落ち込んでいる。瓜生道明社長は9月30日の会見で「(現行の電気)料金は川内と玄海原発(佐賀県)の4基の稼働が前提条件だ」と述べ、再稼働が川内にとどまれば再値上げに踏み切る可能性を示唆した。
泊原発(北海道泊村)の再稼働の見通しが立たない北海道電力は、家庭向け料金を11月に再値上げする。関電や東京電力も再値上げを検討中だ。原発停止で料金は震災前より家庭向けで2割値上がりしている。再稼働が足踏みすれば、家計の負担は一段と増しかねない。