両社が時を経て明暗を分けたのはなぜだろうか。リクルートの出身者たちは、若手のうちに会社を辞め、活躍してその連帯が強いことから、華僑になぞらえて「リ僑」と呼ばれる。ダイエーの出身者たちも、転出した企業で活躍している。日本の企業社会に貢献しているという点において、両社は遜色のない人材が集まっていた。
自主再建にかける強い意志のある後継者がいたかどうかが、両社の岐路になったのではなかったか。それは、創業の遺伝子を残そうという意志と言い換えてもいいだろう。
公募価格を上回る株価をつけて、上場を果たしたリクルート社長の峰岸真澄氏は記者会見の中で、自社の強みを尋ねられて「企業文化」と即答した。自社の歴史に対する敬意と自信にあふれている。
現代史を顧みるには、この時代を生きた人々の隠れた証言や資料が出そろうまでに時間を要するので、性急な判断は避けなければならないと言われる。