作曲家、音楽プロデューサーとして知られるクリエイターの志倉千代丸さんは、自ら設立した「MAGES.」(メージス)の社長や、今の親会社であるドワンゴの取締役を務める経営者でもある。だが、もともと起業の意思は全くなかったという。経営に疎かった分、当初は苦労が絶えなかったようだ。
--メージスの事業内容は
「社名は音楽、アニメーション、ゲーム、イベント、学校の英語の頭文字を並べたものだ。ゲーム事業ではアドベンチャーゲーム『シュタインズ・ゲート』などを開発し、創業事業でもある音楽ではゲーム・アニメ音楽のレーベルを展開している。アニメ制作への出資や声優のマネジメント、声優・ボーカリストの育成学校や飲食店も運営している」
--売り上げ構成は
「約半分がゲームで、イベントと音楽が約15%ずつ占めている。以前はゲーム事業の比率がもっと高かった。事業領域はどんどん広がっている」
--多才なクリエイターとして知られる。活動の原点は
「小学校6年のとき、親に買ってもらったパソコンでゲームにはまりプログラミングを習得した。中学生時代にはバンドを組み音楽活動も始めた。音楽を仕事にするのは無理だと思い、プログラマーになったが、その後就職したゲームソフト会社で音楽を手がけ、両方の趣味が生かされることになった」
--起業志向はあったのか
「思ってもみなかった。ゲームソフト会社の次に入った音楽会社を辞めたときは、フリーランスで食べていければと思っていたが、その会社を辞めた社員が続々と集まってきて、何かやろうということになった。仕方なく社長になった感じ。そのころは、経営に関する本を数え切れないほど読んだ」