三菱重工船海エンジニアリング部の田中太一主席技師は、MALS技術に関し「燃費を削減できれば船のオペレーターコストを下げることになり、CO2排出量も削減できて環境にやさしい。技術の開発を通して、顧客の生産性向上や環境負荷を下げることが期待できる」と話す。
今回の船では、環境負荷を低減するため、MALS技術のほか、造波抵抗を低減する新型船首などを採用。またプロペラの前方にフィンを設置するとともに、後方のプロペラをカバーするプロペラボスキャップには特殊な溝を設けることで主機関の出力を効率よく推進力に変換できるようにするなどの工夫をこらした。加えて、喫水を比較的浅くすることで、MALSによる省エネやCO2削減効果を出しやすくできたという。
田中主席技師は、「外からは分かりにくいが、水面より下部の船型形状の改良は当社が最も得意とするところだ。(今回は)造波の抵抗を抑えるように船首形状を工夫したり、プロペラ効率を向上させるような船尾形状を採用した」と説明。さらに「プロペラの寸法や形状も最適化し、高い効果を得られた」という。エンジンに関しては、燃費性能に優れる同社グループの三菱重工舶用機械エンジンの製品を採用したことで、環境負荷の低減に貢献した。