【地球環境大賞】地球温暖化と異常気象~最新の研究成果から~ (3/4ページ)

2014.11.27 05:00

釜江陽一

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 また、台風の数や経路によっても大きく左右されるため、将来、日本のどこでも豪雨が必ず多くなるとは言い難い。さらに、太平洋高気圧や梅雨前線の位置、梅雨入りや明けの時期も温暖化の進行に伴って変化する可能性が指摘され始めており、さまざまな側面から検証を進める必要がある。

 地球温暖化で台風のリスク増える?

 日本を含む中緯度で、最も大きな被害をもたらす現象の一つが熱帯低気圧(北西太平洋で発生するものを台風と呼ぶ)であり、社会的関心が非常に高い。05年8月に北米南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」は、南部と東部の沿岸域を中心に甚大な被害をもたらした。北米はハリケーンの脅威にさらされることが多く、温暖化を含む気候変動との関係が特に注目されている地域でもある。

 世界全体の熱帯低気圧の数を、海上も含めて正確に捉えることができるようになったのは最近であるため、熱帯低気圧の数が増えているのか、それとも減っているのか、またその強さが高まっているのか否かを判断することは難しい。ただし、北大西洋では、近年の海面水温の上昇傾向と相まって、強い熱帯低気圧の数が増加傾向にあることが認められている。温暖化に伴い、熱帯低気圧の活動が変わるのかについても盛んに研究が進められている。しかし、熱帯低気圧の発生と発達、その経路を正確に再現するのは容易ではないため、将来の変化傾向の予測にも大きな困難が伴う。

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