運転データを計測する専用器「ドライブカウンタ」【拡大】
運転特性を保険料の算出のためのデータとして採用する考え方は、欧米諸国では以前からあり、同社でも開業当初から視野にあったという。その必要性は実感しながらも日本での導入に時間を要したのは、技術とコストの障壁だった。アメリカのある保険会社では、車体に専用器を取り付け、車から通信でデータを吸い出す仕組みを取っている。「日本で導入するためには、諸外国と同様の方法では、ユーザー側の取り付けの難しさや通信コストの課題がある。通販型の手軽さを特徴とするソニー損保としては、ユーザーの手間やわかりやすさ、運用コストなどをかんがみて研究・テストを繰り返し、専用器を開発した」と安田さんは、多くの工夫を重ねたことを振り返る。
ユーザーに配送される専用器「ドライブカウンタ」は、両面テープでダッシュボードなどに貼り付けられ、誰でも簡単に、どの車にも設置可能だ。電池で稼働し、1年間付けっぱなしで特別なメンテナンスも不要。半年以上たつと運転実績の申告が可能になり、「申告ボタン」を押すと走行時間、点数が表示される。必要な情報をWebから申告するとキャッシュバックの申し込みが完了する。保険の評価をするための運転データの収集は、車から直接の通信に頼らなくても可能な運用方法を編み出し、ドライブカウンタを電池で稼働させることでローコストを実現した。