百貨店大手3社が1日発表した11月の売上高速報は既存店ベースで、三越伊勢丹、高島屋の2社が前年同月を上回った。三越伊勢丹は5カ月連続だが、高島屋は3月以来、8カ月ぶりに前年実績を上回った。10月からの消費税の免税対象拡大に伴う訪日外国人向け販売増などが押し上げた。
三越伊勢丹は、訪日外国人客向けが好調な三越銀座店と伊勢丹新宿本店が牽引(けんいん)し、売上高が0.7%増加した。グループ全体での免税品売り上げは2.3倍に膨らんだ。婦人雑貨などファッション関連も好調に推移した。
高島屋は0.6%増。免税品売り上げは2.7倍だった。加えて「高額品も好調」(同社)で、海外高級ブランドなどの特選衣料雑貨が5.8%増、腕時計を含む宝飾品が4.8%増となった。
J.フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は0.2%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。免税品売り上げは11月25日まで約3.3倍と好調だったものの、前年は消費増税の駆け込み需要が発生した宝飾品などが反動で落ち込んだことや、松坂屋上野店が一部閉鎖していることなどが響いた。