ジェイトレーディングが買収を決めたカリ・ツナのクロマグロ養殖場=クロアチア【拡大】
ジェイトレーディングの神戸治郎社長は「世界的な需要拡大で買い負けが増える中、上流に進出することで顧客ニーズに応えたい」と狙いを話す。
カリ・ツナは地中海で「畜養」と呼ばれる短期間養殖の先駆者。同地域最大級の生産設備(年産5030トン)を持ち、日本向けで知られる。今は生産が落ち込むが、生産効率化や販路拡大で生産量を拡大する。
日本の年間のクロマグロ供給量は現在、養殖も含め3万トン弱で、太平洋産が約6割、大西洋産が約4割を占める。
だが、新たに絶滅危惧種に指定された太平洋クロマグロは来年から未成魚漁獲量の半減など規制が強化され、数年後に調達先の割合が逆転する見通し。大手商社も規制緩和が決まった大西洋で安定供給先を増やそうと注目している。