ピジョンの新型ベビーカー「ランフィ」を紹介する女優の瀬戸朝香さん=9日、東京都港区【拡大】
乳幼児関連商品大手のピジョンは9日、大型タイヤの採用により段差の乗り越え性能を向上させた新型ベビーカー「ランフィ」の予約販売を12日に開始すると発表した。全重量も5.4キロとクラス最軽量を実現した。これまで出遅れてきたベビーカー事業を大幅に強化する方針だ。
既存のベビーカーは、直径が13センチで、1つの軸に2つが並んでいるが、ランフィは直径16.5センチの大口径シングルタイヤとしたことで、段差を乗り越えやすくした。タイヤは中空となっている構造で、地面からの振動を吸収するほか、すべての車輪に前方からの力も吸収するサスペンションを採用するなど、赤ちゃんへの衝撃を少なくする構造となっている。
価格は5万4000円で、初年度2万台の販売を目指す。
同社のベビーカー参入は2010年。すでに国内市場ではアップリカ、コンビの2社でシェア80%を占める状況で、ピジョンは2~3%程度と、ほとんど存在感を示していない。しかし、今回投入したランフィを軸に、「高価格帯と低価格帯のシリーズも投入する計画」(山下茂社長)で、国内ベビーカー市場で「10%程度のシェアを確保し、海外展開につなげる」考えだ。