日本の電機大手が、自動車事故を未然に防ぐため、歩行者などを素早く、確実に認識する技術の開発に取り組んでいる。ソニーはほとんど光がない暗闇でも撮影可能なセンサーを開発し、来年中に量産化する予定。東芝も処理能力を従来の10倍に高めたLSIを開発し、2年以内の量産化を目指す。今後普及が見込まれる自動運転技術でも“車の目”となる中核部品だけに、電機各社は商機拡大へ取り組みを急ぐ。
暗闇でも撮影可
ソニーは11月、同社初の車載カメラ向けイメージセンサーのサンプル出荷を始めた。闇夜に相当する照度でも撮影が可能で、来年12月に量産を始める。
同社はスマートフォン向けなどイメージセンサーで世界シェア首位だが、車載向けについても「品質で優位性を出せる」(イメージセンサ事業部の綿谷行展氏)として注力する方針。業績が低迷するなかで、再建の牽(けん)引(いん)役とする狙いだ。