記者会見する東京電力の数土文夫会長=17日午後、東京都千代田区の同社本店【拡大】
東電は福島第1原発事故後に膨らんだ火力燃料費を削減するため、中部電力と共同で液化天然ガス(LNG)の国際競争入札を計画。欧米の資源会社など約60社を対象に12日に募集を始めており、14年度内に契約先を選び、15年度から年間数十万トン規模で輸入を始める計画だ。
ただ、数土会長は「これ以上のコスト削減は停電や法令違反につながりかねない」と説明。修繕工事の先送りといった安全性に関わるコストの削減には限界があり、経営再建を着実にするためには原発の再稼働が必要だと繰り返し訴えた。
原発停止に伴い、15年3月期の火力発電向け燃料費や購入電力などのコストは、再建計画より1120億円も膨らむ。東電は修繕費を1220億円カットして埋め合わせており、文字通り綱渡りが続く。原発が再稼働できなければ16年3月期の黒字化は「見通しが立たない」(数土会長)という状況だ。
東電は今後2年間で、社債の償還費用などで1兆3000億円の新しい資金が必要になる。原発再稼働も再値上げも実現できなければ「資金が回らず黒字倒産の可能性もある」(数土会長)という。政府が50%超を出資し、実質国有化されている東電が倒産すれば、そのつけは国民が負担することになりかねない。